木村屋敷・・・国指定登録有形文化財(文化庁 第22-0177) *この建造物は、貴重な国民的財産です。

2014年12月18日

龍門瀑

中国の黄河の中流にある3段の滝を登った鯉が龍になると言う登竜門の故事に基ずいた石組の様式の滝が、木村屋敷の庭の中軸を為しております。この滝の水が、鑓水とよばれる曲がりくねった小川を通じて池泉に流れ込んでおります。日本庭園は美しい自然の風景を、そのまま庭に運び込むと言う作事をいたしますが、それは昔から日本人には自然を畏敬した美意識が根源にあるからです。要するに山水が滝から川に、やがては海に注ぎ込むという自然の摂理を描いているのです。池泉とは池の事で、池は海に例えます。

 木村屋敷は外国の賓客を茶事で接待する迎賓館です。この庭は、日本人の自然と共存する思想を先ず以ってお客様に知らしめる事ができます。日本人の心の根底にあるものは共存共栄であるということを訴えているのです。

 茶は伝統的な日本人の思想、宗教心、芸術、美意識などを集約した文化であり、「お茶室」はそれらを盛る器です。
 皇室の為に作られた「お茶室」と言う事は、これ以上のものはないと言っても差支えがないと思います。 

 どうも木村屋敷は「五楽荘」と戦前から呼ばれていた様子です。私は前所有者が,旅館経営をした時につけた屋号と単純に思い込んでいたのですが、、五楽の意味を調べて見ますと、仏様のおわしますところ「お浄土」を意味していたのです。・・・ なんと利休の目指した「お茶室」なのです。この屋敷の設計者は、茶に精通した人物であった事は疑う余地がありません。お茶は禅の修業の一つであり、禅に通じたお茶人の建築家の仕事です。魯堂をおいて他に誰があるでしょう。娯楽荘の名も、ひょっとして魯堂の命名かもしれません。
 
木村屋敷を、もとの名である{「五楽荘」に戻す必要性も視野に入れております。


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Posted by こばやし at 13:23│Comments(0)屋敷庭園
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